歯周病認定医による先端歯周病治療
吉本歯科医院では、山口県内にわずか10名の、日本歯周病学会の歯周病認定医が歯周病治療を担当します。
軽度の歯ぐきの腫れ、出血から、
重度歯周病のため、他医院で抜歯を勧められた方のための歯を残す治療まで、幅広い歯周病治療が可能です。
定期的に歯医者に通っているのに、どんどん悪くなっていく、そんな患者さんもたくさん来院されています。不安な方は、一度歯周病認定医にご相談下さい。
当院にお越しになる患者さんには、これまで歯周病についてしっかりと検査を受けていなかったり、知識をお持ちでない方もたくさんいらっしゃいます。
このページでは、歯周病治療に関する正しい知識をお伝えするとともに、当院の治療方法、実際の治療例を掲載いたしますので、もしよろしければ、是非最後までお読み下さい。
当院では、マイクロスコープを導入しています。マイクロスコープは、肉眼では見る事の出来ない細かな部分を、顕微鏡レベルでの拡大範囲で確認することができます。治療精度や安全性の向上だけではなく、患者様に治療の様子をわかりやすく説明できるようになったことで、治療の理解度が格段に上がります。
CTスキャンによって、歯科診断環境に妥協のないパフォーマンスと快適さを提供することが可能です。神経や血管の位置や骨の状態、病状の進行具合などさまざまな情報をこれまで以上に確認することができます。従来のX線写真では「見えなかった」ものが見え、「分からなかった」ものが分かるようになり、より確実な診断や治療が実現可能です。
当院では、YAGレーザーを導入しています。手用器具では取り除けない場所(根分岐部等)に潜む歯周病の原因菌も本レーザーだと除去可能となり、歯周治療に最小の侵襲で最大の効果を得ることができます。また、口内炎に対する処置や、歯周組織再生療法でレーザーを当てることにより再生を促す効果もあります。
上下の歯を使ってしっかり噛むことができるのは、歯が健康であるだけでなく、土台になる歯周組織が健康だからです。
歯ぐきは薄いピンク色で、歯と歯の間は引き締まっった歯ぐきで取り囲まれ、歯ブラシを当てても出血しません。
歯と歯肉の境目にプラークがたまり始めると、歯肉が赤く腫れ、歯肉溝は3~4ミリと深くなって「歯肉ポケット」と呼ばれる病的な溝になります。
歯みがきをするなどケアをすれば炎症は治まり、歯肉ポケットもなくなって完治します。
歯肉はさらに腫れて赤紫色になり、4ミリ以上の深い「歯周ポケット」が形成されて血や膿が出始めます。歯槽骨が溶けるので歯が伸びたように見えることもあります。
この段階を以前は「歯槽膿漏」と呼んでいました。できるだけ早い治療を行ったほうが良い状態です。
健康な歯は、歯肉や歯槽骨といった歯周組織に守られ、簡単には抜け出せない仕組みになっています。
ではなぜ、多くの人が歯周病で歯を失うのでしょうか?
それは小さなサインを見逃しているうちに歯を支える土台の骨が溶けて失われるからです。
私たちの口の中には、300種類ともいわれる細菌が住んでいます。
これらの細菌は口の中に残った糖分などをエサにして、歯のまわりにプラーク(歯垢)と呼ばれる白くてネバネバした物質を作り出します。
歯磨きを怠るとプラーク層が厚くなり、歯周病の原因となる歯周病菌が住みついて増殖を始めます。
歯周病菌は歯ぐきの奥へと進んでいきます。
歯周病菌は空気に触れるのを嫌う習性があるので、歯ぐきの奥へ奥へと潜り込みます。
歯と歯ぐきの間には「歯肉溝」と呼ばれる2ミリ以下の隙間があり、歯周病菌はここに侵入します。
しかし人間の体には異物の侵入を防ぐ防御機能がり、歯ぐきでも「細菌を追い出せ」という免疫反応が起こります。
その結果、歯ぐきに炎症が起き、赤く腫れて出血します。
炎症が歯肉にとどまる段階を「歯肉炎」炎症が歯周組織全体に広がった段階を「歯周炎」と呼びます。
炎症が続き、歯周病が重症化するにつれて歯を支える骨が溶け始め、最終的に歯が抜けてしまいます。
歯周病はむし歯のような痛みがなく、初期は歯ぐきからの出血や口の中がねばつく程度です。
・歯ぐきから膿が出る
・歯がグラついてうまく噛めない
と自覚したときには、すでに骨が溶け始め、歯周病が進行している状態なのです。
その他にも、歯周病が進むとさまざまな症状が出ます。
・歯ぐきが下がり、歯の根元が露出し始めます。ここに熱いものや冷たいものがしみ、むし歯になりやすくなります。
また、若い頃に歯並びのよかった人でも、ぐらつく歯で噛み続けるうちに歯並びが崩れ、容貌まで変わってしまうことがあります。
「歯ブラシに血がつく」と気づいた段階で治療を開始することが、歯だけでなく全身の健康を守ることにつながるといっても過言ではありません。
・噛めなくなる
・歯がしみる
・発音しにくくなる
・むし歯になりやすい
歯周病が全身の病気に影響するのは、口の中の細菌や細菌が出す毒素、歯肉の炎症によって発生する炎症性の物質などが、血流に乗って全身に運ばれていくからです。
本来、細菌や細菌が出す毒素は口の中の粘膜に阻まれて体内に侵入することができないのですが、歯周病により歯周ポケットが深くなると、内側がただれて傷などができます。
そこから細菌などが入り込み、からだのあちこちで「悪さ」を始め、全身の病気に悪影響を及ぼしていきます。
その代表が糖尿病です。
糖尿病は慢性的に血糖値が高くなる病気で目や腎臓の病気、心筋梗塞、脳梗塞など様々な合併症をおこします。
歯周病の患者の中には、「あなたは歯周病ですよ」と話すと「えっ歯磨きしてるのに。。。」
という反応の人が多いです。
しかし歯みがきはむし歯予防にはなっても、歯垢を取る意識でブラッシングしないと、歯周病は防げません。さらに、歯垢は自分でうまくブラッシングをしても8割り程度しか落ちないのです。
歯垢が蓄積していくと、歯ぐきの炎症が起こり、歯肉炎に進んでしまいます。
進行すればするほど元に戻すのは難しくなります。
歯肉炎の時点で歯科医院で汚れを取ってもらいきれいにすれば元に戻ります。
定期的なメンテナンスを行うことが必要です。
歯周病の危険因子として明らかだといわれているのは喫煙です。タバコのニコチンやタールなどによって、粘膜が刺激を受けると粘膜は「肥厚」という硬く厚い状態になります。
粘膜が肥厚になると、見た目はしっかりと丈夫そうに見えますが、炎症を見つけにくくなってしまいます。
また、喫煙によって毛細血管が収縮するため、栄養補給が悪くなり、炎症に対する抵抗力が弱まってしまうため、炎症が悪化してしまうのです。
もう一つの危険因子は、就寝時やパソコンに向かってのデスクワークするときなどに生じやすい、くいしばりです。
無意識に歯ぐきに無駄な負荷がかかるのはよくありません。
手術などの治療処置後のくいしばりは、傷の治りが悪くなるというデータもあります。
これらの人は、より早めに歯科医院を受診したほうがいいでしょう。
歯周病は自覚症状に乏しく、なかなか自分では気づかないことが多いです。
唯一のわかりやすいサインが歯みがきをした際の歯ぐきからの出血です。
出血を見つけた時点ですぐに歯科医院を受診して、治療・メンテナンスをしてもらえば、歯周病の悪化を防げます。
しかしそのまま、放置して炎症が進むと、歯周病菌は歯周ポケットといわれる歯と歯ぐきの間にできた隙間に深く入り込んでいき、歯槽骨を溶かしていきます。
口の中には、外界と接しているうえ、毎日食べ物を摂取するため、さまざまな細菌が存在します。
それらの細菌が付着する歯ぐきは、呼吸器や消化器同様に、感染経路の一つと言われ、そこから侵入した細菌が全身に悪影響を与えることもあります。
口の中には細菌が常に存在していることを意識して、清潔にしておくことが大切です。
歯ぐきは常に細菌にさらされてという意識をもちましょう。
自覚症状がなくても、定期的に健診を受けるという意識が芽生えると思います。
できれば年に一回程度は健診を受けましょう。
検査を受ける間隔はひとそれぞれ異なります。
40代、50代になったら、半年に一度でいいかもしれませんし、一度歯周病治療を受けて治癒した人は3ヶ月に一度検査を受けたほうがいいかもしれません。
健診を受ける意義は、歯周病を未然に防ぐことと同時に、口の中の状態を定期的に知ることによって、予防に対する自覚を高めることにあります。
そして歯肉炎の状態より先に進まないようにすれば、健康な歯ぐきを保つことができます。
健康な歯ぐきを保つことができれば、体の健康にもつながります。
歯周病治療の一番の目的は、歯周病菌により生じた歯垢や歯石など、歯のまわりの汚れを取り除くことです。汚れは歯ぐきに炎症を起こし、炎症が進むに従って、歯を支える歯槽骨を破壊し、歯を失う原因になります。
歯周病の治療は、歯周病の進行を食い止めるために、歯のまわりの汚れを取り除くことに主眼が置かれています。
そして、汚れが取り去られるまで、検査・治療・メンテナンスが繰り返されます。
歯みがきの時の出血など、歯ぐきに炎症があること自体がすでに病気とみなされます。
歯みがきの時に出血があればできるだけ早く歯科医院を受診して下さい。
歯科医院では、歯周病検査を実施して、歯の汚れや歯周ポケットの深さ、歯槽骨の状態、細菌の数などを調べ、歯周病の進行具合を診断します。
歯周病治療には4段階の分類がありますが、検査結果だけでなく、患者の健康状態や希望をふまえて治療計画を立てます。
歯の動揺度:ピンセットで歯を前後に左右に動かす
X線(レントゲン):肉眼で見えない歯槽骨を調べる
プローピング:歯周ポケットの深さを測定
歯垢の付着:染色液で染めて調べる
かみ合わせ:かみ合わせの悪さが負担をかけていないか調べる
歯と歯の間や歯と歯肉の境目にプラークが付いていると、歯肉のみに炎症症状が出てきます。
まず歯肉の色が赤くなり腫れてきます。歯磨きの時に歯肉から出血してきます。しかし痛みは伴わないので、気付きにくいです。
歯を支えている骨は正常で溶けていません。
歯肉のみに止まらず、歯を支えている骨にまで炎症がある状態です。
歯肉の炎症は歯肉炎と同じで、腫れて赤くなり歯磨きのときに出血してきます。そして骨が若干溶けてきます。骨が溶けることによって歯と歯肉の境目の溝(歯周ポケット)の深さが深くなってきます。
この溝にプラークが入っていき、歯根に歯石(プラークが固まってできた石)が付きます。そうなると、歯周ポケットは細菌のすみかになっていきます。しかし痛みを伴わないので気付きにくいです。
軽度の歯周病の症状に加えてさらに、歯を支えている骨が半分くらい溶けていきます。少し歯がぐらぐらするようになり、歯が浮いたような感じがし、だんだんと硬いものが噛みにくくなってきます。
歯周ポケットはさらに深くなり、プラークによって歯肉が腫れているのでさらに深く細菌が進入していきます。そして歯根に歯石が付いてきます。こうなるとポケットの中まで歯ブラシの毛先が届かないし、歯肉からの出血や痛みを感じるのでさらに歯磨きができずますます病気が進行していきます。
重度になるとさらに状況は悪くなります。歯を支えている骨は三分の二以上が溶けて、歯周ポケットは非常に深くなり、歯がぐらぐらと動きだし物が食べにくくなります。
歯根に大量の歯石が付き、歯肉は下がり歯根が見えてきます。また歯肉は赤く腫れていて、歯と歯肉の境目からは膿がでてきます。
朝目覚めると口の中がねばねばし、血の味がしてくることもあります。口臭も強くなります。
プラークコントロール:歯垢や歯石の除去
スケーリング:スケーラーで歯周ポケットの歯垢、歯石を取り除く
ループトレーニング:キュレットでセメント質におよんだ汚れを取り除く
習慣の修正:禁煙・生活習慣病の予防、口呼吸の改善
抜歯:歯周病を悪化させる可能のある歯を抜く
歯周基本治療を行った後、歯周病の改善度合いを再度チェックします。
この結果、炎症が認められなければ、「治癒」とし、定期的なメンテナンスへと入ります。一方、炎症が認められる場合は、さらに高度な治療が必要となります。
炎症なし → 定期的なメンテナンス
PMTC、歯科衛生士によるクリーニング
炎症あり → 外科処置
フラップ手術:歯ぐきを切ってポケットの深いところの歯石を除去
GTR法:歯肉と歯槽の間に膜を作り、歯槽骨・歯根膜の形成を助ける
エムドゲイン法:歯周組織再生を促す材料を塗布して歯周組織を再生する
ようじで歯間を掃除した際にとれる白いものそれがプラークです。
単なる食べ物のカスではなく、そのカスをエサに増殖した細菌の塊で1ミリグラムの中に歯周病菌やむし歯菌など約10億の細菌がいるといわれています。
できたばかりのプラークは通常の歯みがきでおおむね落とせます。しかし1日歯を磨かないと落としにくくなります。
ネバネバした物質を出す細菌がいて、排水口のヌルヌルした膜と同じ「バイオフィルム」を作るからです。
強力な付着力を持っているバイオフィル(プラーク)は歯にこびりつきます。
そこに唾液中のカルシウムなどが作用してプラークが石灰化し、歯石になります。
プラークができてから歯石になるまでは2週間ほど、歯石は自分では取り除けません。
バイオフィルムは、抗菌薬や免疫細胞である白血球を通さないので、細菌には絶好のすみかとなり、プラークの中で細菌がどんどん増殖します。その細菌集団が出す毒素が歯周組織に炎症を起こし、歯を支える歯槽骨を蝕むのです。
歯周病菌は細菌による感染症なので、細菌の塊であるプラークを減らして正常な状態に保つことが大事です。
それがプラークコントールで、日々のブラッシングを柱に、プロによる専門的なケアやプラークを蓄積しない生活週間などがあります。
プラークがつきやすいのは、歯の表面の溝の中、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目です。
そこはみがき残しやすい場所でもあり、丁寧に磨く必要があります。
とくに歯と歯ぐきの境目にプラークが残っていると歯ぐきに炎症が起こり、ポケットが徐々に深くなります。
ポケットの上のほうだけでもプラークを取ると、歯周病菌の増加を抑える効果があります。
プラークは、普通の歯ブラシだけでもかなり除去できますが、歯と歯の間はどうしてもみがき残しが出ます。
それを取るには、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助器具が便利です。
きれいにみがけていれば、歯や歯ぐきを舌で触るとツルツルしています。
プラークコントールは「患者自身がする治療だ」という意識を持つことが大切です。
歯周病の治療は本人と歯科医院と2人3脚で行うもの。
日々のブラッシングで取りきれないプラークや歯石は専門家の手で除去します。
歯周病は進行性の病気なので、治療目標は進行度によって異なります。
骨に影響が及んでいない段階なら、目標は今以上に骨を減らさないことです。歯周基本治療で達成できます。
基本治療では、歯周病の原因菌をできるだけ減らすため、細菌のすみかであるプラークや歯石を徹底して除去します。
その柱になるプラークコントールです。
これは本人によるブラッシングとプロによる専門的なケア、生活習慣や習癖の修正などからなっています。
セルフケアと専門家のケアや指導はいわば車の両輪。
この2つが得られることで相乗効果を発揮します。
歯にこびりついているプラークを落とす唯一の方法は、物理的、機械的に除去することです。
プラークには薬が浸透しないので、化学的な作用を利用して剥がすことはできません。
そこで歯科医院では、専門的なケアとして、機械的な処置であるスケーリングやループトレーニングを行います。
スケーリングでは、見えている部分や歯周ポケットにたまっているプラークや歯石をスケーラーという器具を使って取り除きます。ポケットの中の歯石を取るときは痛みを伴うことがあるので、場合によっては麻酔を使用します。
歯石には、歯ぐきより上にできる白い歯石と、歯周ポケット内にできる黒い歯石があります。
白い歯石はもろく取れやすいのですが、黒い歯石は硬く根面に強く付着しているので除去に時間がかかります。
例えば、上下のあごをそれぞれ前、右奥、左奥の3ブロックに分けて、1回の通院で1ブロックずつ治療すると、6回通院することになります。ブラッシングの状態が悪かったり、ポケットが深かったりする場合、その後も定期的に治療を受ける必要があります。
ループトレーニングはスケーリングに続いて行う処置で、歯周ポケット内のプラークや歯石を除去するとともに、根面を滑らかに整えます。
そうすることで汚れが再付着しにくくなるほか、歯ぐきと根面がくっついて歯周ポケットが浅くなる効果も期待できます。こうしてプラークや歯石を機械的な処置で除去しても炎症が消えない場合、炎症を繰り返し、隣接する歯の歯周組織まで破壊されそうな場合には、外科的な治療が必要がどうか検討します。
歯周病の進行の程度にかかわらず、はじめに行われるのが基本治療であるプラークコントールや歯石除去です。
多くの場合、基本治療で歯垢や歯石を取り除き、歯周ポケットを浅くすることができます。
しかし、基本治療を行っても、歯周ポケットが十分に浅くならない場合があります。
そのままでは、治療後に患者自信のブラッシングだけで口の中の環境を整えるのは難しく、再発の危険性が高くなります。
そこで効果的なのが代表的な歯周外科治療である「フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)」です。
具体的には基本治療をしても歯肉ポケットが4ミリ以上残る場合にフラップ手術が実施されます。局所麻酔をしたのち、歯周ポケットがある周辺の歯肉をメスで切開し、歯根の汚れた部分が見えるようにします。
その状態でスケーラーと呼ばれる器具を使い、歯石をきれいに取り除きます。その後、歯肉を元に戻して縫合し、手術が終了します。
フラップ手術で歯肉を切り開くことにより、歯科医師がしっかり目で確認して清掃できるので汚れを取り残すことがなく、その後は長期にわたって患者自身がブラッシングでプラークコントールできるような口腔内環境をつくることが可能です。
フラップ手術の難点は、治療後に歯ぐきが下がり歯が長く見える可能性があることです。
特に前歯を治療した場合は目立ちやすいので、その点をよく理解してから治療を受けることが大切です。
また、基本治療後に歯肉ポケットがたとえ深いままの状態でも、フラップ手術ができないことがあります。
歯肉が腫れている場合などで、この場合は「歯肉切除術」が選択されます。
出血性の病気や重症の心臓病など全身的な病気がある人も、手術後に合併症を引き起こす危険性があり、手術できないことがあります。
更に歯周病が進行して歯槽骨が溶け、歯がぐらつくような場合は、抜歯せざるをえなくなります。
ただし、歯槽骨が溶けていても中等度にとどまっていれば、フラップ手術に骨の再生を促す処置を追加することで、抜歯をしなくてもすむことあります。それが近年普及してきている新しい治療法「歯周組織再生療法」です。
さらにもう一つ、歯周病の治療で手術をする場合があります。
「歯周形成手術」と呼ばれる手術で、歯ぐきが痩せて歯が長く見える 歯ぐきの色が悪いといった見た目の問題を手術で改善します。
局所麻酔をした後、メスで歯肉を切開します。
その後、歯と歯の間にある歯間部歯肉から順に剥離していきます。
丁寧に時間をかけて剥離することが大切です。
剥離したらスケーラーと呼ばれる器具で歯に付着した歯垢や歯石を除去します。
次に骨の上の「肉芽組織」もきれいに除去します。
こうすることでポケットも浅くなります。
開いた歯肉を元に戻して縫合します。
傷口は特殊なパックで覆って保護します。
パックは歯肉の位置を調整するためにも役立ちます。
抜歯は、約1週間後に実施されます。
歯周病の基本治療やフラップ手術の目的は、歯周病の原因である細菌を除去することです。
原因を除去できれば歯周病の進行は止まり、歯周組織の炎症が改善します。
しかし、歯周病の原因を除去するだけでは、一度破壊された歯周組織を元通りにすることはできません。
歯周組織の大部分を占める歯槽骨が溶けて歯がぐらつくような場合は、抜歯をせざるをえなくなります。
そこで近年普及しているのが歯槽骨をはじめとした歯周組織の再生を促す「歯周組織再生療法」です。
その代表的な方法が、「GTR法」「エムドゲイン法」です。
フラップ手術で歯周ポケットの奥についた歯石を取り除くと、骨に穴があいたような状態になります。
歯周組織は歯周病の原因が除去されれば再生しようとするものですが、それぞれの組織が再生する速度は異なり、まず歯槽骨よりも先に歯肉上皮が再生して穴に入り込み、埋めてしまいます。
このため骨は再生されません。
そこで、上皮が入り込まないように骨が再生する場所を人工膜で確保するのが、「GTR法」ゲル状のたんぱく質の一種で確保するのがエムドゲイン法です。
期待できる効果や治療の条件はどちらも同じですが、GTR法の場合は基本的に保険診療ででき、エムドゲイン法は自費診療になります。
ただし、GTR法は技術的に難しく、効果が歯科医師の技量や経験に左右されやすいという難点があります。
重症だと十分に再生しない。
また、骨の再生が期待できる歯槽骨の破壊の程度には限界があります。
一般的に再生療法の対象となるのは、歯槽骨の破壊の程度が中等度の歯周病です。
歯周組織は、歯槽骨と歯根の間にある歯根膜に存在する幹細胞の働きで再生します。
重度の歯周病の場合、歯根膜も大きく破壊されているため、十分な再生を期待できないのです。
再生療法は基本治療後の診断で治っていない場合にフラップ手術に追加して実施されます。
このため、手術自体ができないような全身状態の人は再生療法を受けることができません。
また、喫煙する人はしない人に比べて治療効果を得られにくいことがわかっています。
歯槽骨がなくなっている部分にGTRメンブレンという特殊な膜をエプロンにをかけるように覆い、歯肉上皮の侵入を遮ります。以前は手術して4~6週間後に膜を除去する2次手術が必要でしたが現在は2次手術の必要がない吸収性の膜が主流になりました。
エムドゲインは、若い豚の歯胚(歯のもとになる組織)から抽出した特殊なたんぱく質が主成分。
ゲル状で、歯槽骨が溶けて穴のようになっている部分に塗って治療します。
エムドゲイン自体は組織の一部に変化していき、骨の再生が促されます。
骨の造成が行われた部位は、骨粗鬆症の薬による副作用により急激な吸収が生じる可能性があります。
歯と歯の間を中心に、歯石の付着が見られます。
歯茎の赤みが緩和され、歯周ポケットも大幅に浅くなりました。
歯茎の腫れ、歯の着色が見られます。
歯茎の腫れが治まりました。
歯茎の腫れ・発赤が見られ、プラークも多量に残存しています。
歯茎の腫れ・発赤共に軽減しています。この状態を維持する為には、セルフケアが重要です。
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スケーリングやルートプレーニングの処置の際に、しみることがあります。
3000~4000円
1000~3000円
エムドゲイン | 55,000円~ |
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GBR | 66,000円~ |
FGG | 55,000円~ |
CTG | 66,000円~ |